サンカとは何か
サンカとは、山や川の中で自然に生活を営む漂泊の民であり、日本に入ってきた複数の民族から成り立つ。中には皇位継承争いや、
戦いに敗れ奴隷となることを拒み山へ逃げた者もいる。一般社会を表とすれば、彼らは裏の社会を歩んできた集団といえる。
サンカとは
① サンカとは・・・山から山を転々と渡り歩き住居を変えながら生活している。
② 核家族で女性上位であり、一夫一婦制で一度結婚すると、浮気は絶対に許されない。
③ 住居は「ユサバリ」と呼ばれる天幕で、すぐに畳んで移動できるような簡単な作りである。
④ 自然食主義で、野草を摘んだり、薬草を薬とする。長寿、健康である。
⑤ 寒中でも体を冷水で洗う。「ミソギ」とは、サンカの間の日常的習慣である。
⑥ 火を燃やして、石を真っ赤に焼き、その上で魚を焼いたりする。
また、地面に穴を掘り、天幕を敷き、水を入れ焼石を入れると、ぬるま湯程度になり、これを「焼湯」という。
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ウメガイ |
⑦ 「ウメガイ」という刃物はサンカの象徴ともいわれている。
⑧ 「ハタムラ」という厳しい掟があり、秘密を絶対に漏らしてはならないという固い組織をもっている。
⑨ サンカの統制から脱して一般社会に流れ込み、普通人化することを「トケコミ」という。しかし、サンカの統制を抜けた本人から三代目、
孫に至るまでは完全に抜けたことにはならない。
豆知識
サンカは強力な秘密組織を持ち、縦の関係で全国組織されており、「アヤタチ」という表の世界での天皇にあたる最高権威者を筆頭に、
「ミスカシ」「ツキサシ」という三段階の頭領の身分を持つ。下には地域別の長を定め、それぞれの段階で、裁判権、命令権を持ち一族を統制する。
彼らは独特のサンカ言葉を持ち、情報は縦から縦へ、つまり父から息子、息子から孫へと伝わり、隣人がサンカであってもわからず、
秘密を漏らした者は命がないという程の厳しい組織である。
そのような組織を背景に、彼らは口伝えの歴史を持っている。時の勝者が歴史を書きかえているのであれば、敗者を率いるサンカの持つ歴史の中には、
知ることのできない意外なことが隠されているのではないか。
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サンカの生業
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箕 |
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ささら |
① サンカは生業を持ち、身分素性を隠して庶民の間で生活している。
職種は多いが、竹を主たる材料とした箕作りを中心とする。
② ささら作り(竹細工)
③ 山伏し 野山に寝起きして修行する僧。
④ 遊芸関係では 獅子舞など。
⑤ 猿回し
⑥ 流浪職では 焼き芋屋など。
⑦ 遊女
⑧ マムシ捕り(タジヒなど)
当時の人々にとってマムシは恐ろしい存在であった。この「マムシ捕り」のおかげで、安心して生活することができる。
⑨ 茶人、歌舞伎など様々な職業につきながら世間の情報をつかむのであり、忍者などが、そのよい例であろう。
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