宗教戦争

 フランス、ユグノーの惨めな運命は、我々に宗教の何たるかを思わせると同時に、人間、又人道と称するものを 改めて考えさせられる。
 当時フランス王室ならびに王室を取巻くカトリック教徒の残忍さ。正に目を覆うのみである。
 一五一七年、ルターによって始められた宗教改革(カトリックとプロテスタント両派の対立・抗争)の嵐が吹きすさぶころ、 カトリック派の頭領で、貴族の実力者ギュイーズ公と、ユグノー(プロテスタントの信者)の実力者コリニー提督を争わせることによって、 自らの権力をより強大なものにしようと画策している母后カトリールは、コリニー提督の暗殺を計画したが、その失敗からエスカレートした策謀の結果、 恐るべき事件(聖バルテルミーの大虐殺)が勃発した。
 コリニー提督殺害に始まったユグノー弾圧の火の手は、たちまち、パリ中に広がって人々は殺戮の鬼と化した。
 
聖バルテルミーの大虐殺
右側中央にコリニーの死体があり、ギュイーズ公の部下がその死体から首を切りとっている。 恐ろしい場面を克明に描いてある。

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